TPP首席交渉官会合が開かれたベトナム・ホーチミンのホテル=15日(共同)【拡大】
にもかかわらず、開催に同意したのは米国の強い意向に配慮した側面が大きい。その米国も通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行が今回の閣僚会合について「交渉の進み具合を点検するための会議」と位置づけるなど、初めから大筋合意は断念している節もうかがえる。
それでも米国が開催にこだわる理由について、日本の交渉筋は「オバマ大統領のアジア歴訪でTPP交渉が前に進んだという実績をアピールするのが目的だろう」とみるが、形ばかりの会合に終われば交渉妥結の機運がしぼみかねないのも事実。大筋合意は難しいとしても、合意に向けた道筋をどこまで見いだせるかが閣僚会合の焦点になりそうだ。