とはいえ、交渉の早期妥結に向けて残された時間は少ない。交渉を主導する米国は中間選挙が近づくにつれ、業界団体を刺激するような妥協は避けるようになり、交渉の推進力が一気に失われる可能性があるからだ。
その米国は今夏をTPP交渉の成果を打ち出せる「最後の機会」と捉え、7月か8月の閣僚会合で大筋合意に持ち込むことを想定している。今回の閣僚会合で首席交渉官会合の開催日程だけを決めたのは、事務レベルで大筋合意のめどが付かない限り、次回の閣僚会合を開催することに反対する日本に配慮したためだ。
交渉の長期化を避けるには「今夏の合意がタイムリミットになる」(交渉筋)との認識で日本もおおむね米国と一致しているが、合意には日米協議の決着が前提となることに変わりはない。日米両政府は来週、米ワシントンで事務レベル協議を続ける方針。その結果は早期妥結の行方を大きく左右しそうだ。(シンガポール 本田誠)