他のTPP交渉参加国は日米協議の行方を注視しており、日米の前進がなければ他の二国間の関税協議も進展が見通せない状況が続き、TPP交渉全体を遅らせる結果となっている。
しかも今回の会合では、難航している国有企業改革や知的財産保護に関する本格的な協議を棚上げすることが確認され、改めて別の会合を持つ方向で調整が進んでいる。難航分野の協議よりも、対立が少ない分野の協議を最大限に前進させることが狙いだが、本質的な問題を先送りしたともいえる対応だ。
これまでの会合では強制労働などで生産された製品の輸入禁止など労働分野でのルール作りが事実上合意。食品の安全確保に関する「衛生植物検疫」での紛争処理手続きなどでも議論が収束に向かっている。
しかし現段階では閣僚級会合を早期に開催するためのお膳立てが整ったとはいえず、年内大筋合意に向けた12カ国の機運は高まっていない。(オタワ 小雲規生)