【日本の針路 大塚耕平のスピークアウト】自衛権発動の原則論確立が必要 (1/5ページ)

2014.7.10 05:00

集団的自衛権の行使容認の閣議決定後、記者会見する安倍首相のニュースを伝える大型モニター=1日、大阪市

集団的自衛権の行使容認の閣議決定後、記者会見する安倍首相のニュースを伝える大型モニター=1日、大阪市【拡大】

  • 大塚耕平

 7月1日、政府は臨時閣議で「集団的自衛権」に関する憲法解釈変更を決定した。賛否両論ある中、改めて論点を整理しておきたい。

 ◆プラス・マイナス

 「個別的自衛権」は人間の正当防衛や生存権に擬せられる「自然権」。憲法に書いてあろうがなかろうが「保有し、行使できる」のは当然のことだ。一方、「集団的自衛権」は1945年の国連憲章51条において、当時の国際情勢に対応して新たに考案された人為的、後天的な権利。「個別的自衛権」は「自然権」であり、「集団的自衛権」は「自然権」ではない。賛否どちらの立場であっても、まず共有すべきはこの点である。

 日本は、日本国憲法発布(1947年)、独立回復(1952年<サンフランシスコ講和条約発効>)以来、「集団的自衛権」は憲法上の制約から「保有すれども、行使できず」という立場を一貫して堅守してきた。

 国家はいかなる事態に直面しても国民の生命と財産を守らなくてはならない。国家の3要素(主権、国民、領土)を守れなければ、国家の体をなさない。そこで、歴代政権は「個別的自衛権」の概念や行使要件を進化させることで、現実の変化に対応してきた。

 顕著な事例が佐藤栄作首相(昭和43年)と中曽根康弘首相(同58年)による「個別的自衛権」の対応可能範囲拡大である(詳細は昨年11月14日付の本コラム参照)。しかし政府は、今回の閣議決定で「集団的自衛権」を「保有し、行使できる」という立場に変更した。

 「個別的自衛権」を進化させる路線を継承せず、「集団的自衛権」を行使可能とすることには、得るもの(プラス)もあれば、失うもの(マイナス)もある。得るものは「集団的自衛権」を行使可能とすることによる「抑止力」、失うものは「集団的自衛権」を行使できないことによる「抑止力」。どちらも「抑止力」である。

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