いま問われているのは一時的な景気浮揚策ではなく、人口減少や高齢化に耐え得る社会への作り替えだ。具体的方策としては、拠点となる都市を定め、人口集積を図ることである。政府は「国土の均衡ある発展」といった幻想を振りまくことをやめ、何十年も先の社会を見越しての対応を取る必要がある。
各省がアイデアを出し始めている。総務省は20万人以上の「地方中枢拠点都市」を軸に周辺自治体が協約を結び連携する構想を描く。国交省は複数の都市を鉄道や高速道路で結ぶ「高次地方都市連合」構想だ。国交省は過疎集落にも目を向け、歩ける範囲に商店や診療所を集める「小さな拠点」も提唱している。
これらに共通するのは、地方が生き延びるには、ある程度の都市規模が必要との視点である。
しかし、こうした一部の自治体に人口を集める構想には、人口を送り出す周辺自治体の抵抗が強い。「切り捨て」にされるとの警戒だ。
だが、人口を大きく減らす自治体が十分な行政サービスを続けることは困難である。現状の市町村の線引きを乗り越え、拠点都市と役割分担してネットワークを構築することが、結果として、より多くの自治体や集落を存続させることになる。