与党や沿線自治体が求めている北海道、北陸など整備新幹線3区間の開業時期前倒しに向け、政府と与党が検討作業を本格化させている。与党の提案を受けて設置された政府・与党のワーキンググループ(WG)が9月下旬に始動。2015年度予算編成に向け、年末までに結論をまとめる。前倒しによる経済効果への期待が地元を中心に高まるものの、最大の課題となる財源確保策をめぐる調整は難航が避けられず、財源が不足すれば前倒し期間は圧縮を余儀なくされる。国、地方とも財政事情は苦しいこともあり、落としどころはまだ見えていない。
「整備新幹線の前倒し開業は地方への経済効果が大きい。ぜひお願いしたい」。9月24日に開かれた政府・与党WGの初会合で、与党の国会議員は異口同音にこう主張した。
与党は7月、北海道新幹線の新函館北斗-札幌間を現在予定されている2035年度から5年、北陸新幹線の金沢-敦賀間を25年度から3年、九州新幹線(長崎ルート)の武雄温泉-長崎間を可能な限り、それぞれ開業時期の前倒しを目指すように政府に申し入れた。