前倒しの実現には財源確保が最大の課題となる。国交省によると北海道5年、北陸3年の前倒しには5400億円の追加費用が必要だ。
このうち2000億円は、新幹線を運行するJR各社が鉄道・運輸機構に将来支払う貸付料を担保に、銀行から資金を借り入れることで賄う案が有力だ。この金額だと北海道2年、北陸1年の前倒しが可能になる。
残る3400億円の捻出方法はまだ有力案が固まっていない。与党は財源候補として、鉄道・運輸機構が全株式を保有し、16年度までの上場を目指すJR九州の株式売却益を活用する案のほか、JR各社が貸付料を払い続ける期間を現在定めている30年から延長する案を示した。政府・与党WGでの財源の議論も与党案を土台に進むとみられる。
政界・自治体、年末へ駆け引き激化
もっとも、政府・与党のWGで着地点を見いだす作業は容易ではなさそうだ。
JR九州の株式売却益は現状では旧国鉄職員の年金の支払いに充てるよう決められており、整備新幹線の開業前倒しに充てるには法改正が必要になる上、「国民の理解を得られるかなど詰めるべき点は多い」(国交省幹部)。株式売却益から実際にどれだけの金額を整備新幹線に回せるかも不透明だ。