鉄道・運輸機構に対する貸付料の支払期間延長案には、負担増を強いられるJR各社が「到底受け入れられない」(JR東日本の冨田哲郎社長)と拒んでおり、年末までに同意を得られるめどは立っていない。
合意難航も見据え、与党は国や地方の負担を増やす案も視野に入れる。整備新幹線の建設に充てる財源は、貸付料を除くと国が3分の2、地方が3分の1を負担している。14年度の国費は720億円と9年ぶりの増額となったが、国、地方とも財政事情は苦しく、すんなり負担増をのめる状況にない。
前倒し開業を求める与党や沿線自治体の動きからは、政権交代後の公共投資の期待もうかがえる。大和総研の中里氏は「他にも重要な事業が控えており、開業前倒しがどれだけ優先度の高い項目として支持を得られるかが鍵になる」との見方を示す。与党は北海道5年、北陸3年の「満額回答」にこだわる構えで、政治判断での決着の可能性もある中、政界や自治体など関係者の駆け引きが年末に向けて激しくなりそうだ。(森田晶宏)