国土交通省は15年度予算の概算要求で、開業前倒しについて、具体額を明示しない「事項要求」とし、前倒しの実現に取り組む方針を示した。政府・与党WGの結論を踏まえ、具体額を予算に反映させる構えだ。
大和総研の中里幸聖主任研究員は「人口減が進む中、地方の一定規模の都市に人口を集約した上で各都市を高速ネットワークでつなぐ政策を進めるとき、新幹線は有力手段となる。整備新幹線が早くできるのに越したことはない」と開業前倒しの意義を指摘する。
沿線自治体には経済効果がいち早く表れることへの期待が大きく、北海道庁は新函館北斗-札幌間の開業時期が現在の予定から5年前倒しとなれば、開業後5年間の経済効果は約5100億円に上り、前倒ししない場合の約4700億円よりも約400億円増えると試算している。
追加費用5400億円
もっとも整備新幹線の建設費は巨額にのぼり3区間の事業費は現行計画でも合計で3兆円を超える。整備新幹線は、独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が線路などの施設を建設・保有して、新幹線を運行するJR各社に貸し付けJR各社は施設使用料(貸付料)を鉄道・運輸機構に支払うという「上下分離」方式を採用している。