財務省が22日発表した平成27年度上半期(4~9月)の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は5兆4271億円の赤字だった。赤字額は、25年度上半期(4兆9963億円の赤字)を上回り、年度上半期では比較可能な昭和54年度以降で過去最大となった。火力発電の燃料輸入額が高止まりする一方、円安進行でも輸出が伸び悩んだことなどが影響した。
年度半期ベースの貿易赤字は23年度上半期から7期連続となった。貿易収支の内訳は輸出が前年同期比1・7%増の35兆8969億円と、上半期では2年連続で前年度実績を上回った。
英国向けの自動車に加え、米国や中国向けの金属加工機械が大きく伸びた。ただ一昨年までの歴史的な円高局面で大手製造業を中心に生産拠点の海外移転が加速した結果、円安局面でも輸出は伸びを欠いた。