政府は30日、2015年度予算で経済対策に充てる予備費として約9000億円を計上する方針を固めた。来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げに備え、景気刺激のための財源を用意して機動的に対応する。14年度補正予算の編成も検討しており、予備費と補正予算で景気下支えを万全にしたい考え。15年度予算に計上されれば、12年度以来3年ぶりとなる。
経済対策予備費の計上は、今年4月の消費税増税に伴う駆け込み需要からの反動減が長期化し、夏場の天候不順という「想定外」のマイナス要因が生じた経験を踏まえた措置。10%への引き上げに備え環境整備のための財源を確保する。
予備費は急激な景気悪化など不測の事態に備え、事前に使途を決めず計上できる費用。補正予算は国会での議決が必要なのに対し、予備費は内閣の裁量で自由に使える利点がある。
経済対策予備費は、09年度に麻生太郎政権がリーマン・ショックに伴う景気悪化を受け「経済緊急対応予備費」を新設し、1兆円を計上。その後の政権も東日本大震災に伴う経済危機などに対応するため、予備費を設けていた。だが、第2次安倍晋三政権は新規国債発行額を抑制するため、13年度と14年度は経済対策予備費を計上していなかった。
財務省は15年度概算要求で、予備費3500億円を盛り込んでいる。だが、消費税率再引き上げの判断を控え、景気回復が想定以上に遅れたり、安倍政権の最重要課題である地方創生政策に活用するため、あらかじめ機動的に使える予算を確保しておく必要があると判断した。税収の上振れ分や国債費の使い残しなどで財源を捻出、年末の予算編成段階で経済対策予備費を9000億円程度に増額する方針だ。