実際、東京都渋谷区内に事務所を構えるある競技団体は財務省のヒアリングに対し、「予算の使い道は精査していない。お金はたくさんあったほうがいいから多めに要求した」と話し、予算要求は“言い値”に近い状況だという。
文科省は学校で五輪の歴史を教えたり、地域の国際交流事業を開催する「オリンピック・パラリンピック・ムーブメント推進事業」を新規で24億円要求したりした。だが、財務省は「全て民間でできること。このままではゼロ査定だ」と手厳しい。
財務省が警戒するのは、五輪メダル獲得費用の“高コスト化”だ。夏季五輪でみると、12年のロンドン五輪は金メダルが7個で、メダル獲得総数は38個。直近4年間の強化費計616億円で割ると、金メダル1個で88億円、銀や銅を含めたメダル1個当たりでみると16億円かかった計算だ。
強化費は年々増加する一方、金メダルの数は04年のアテネ(16個)以降、減少している。さらに東京五輪では、国立競技場の改修(総工費約1600億円超)や、最先端の設備をそろえるナショナルトレーニングセンターの増床(同約400億円)など五輪関連経費は大きく膨らむ見込みだ。メダル数が大きく伸びなければ「金メダル1個100億円」という試算は的外れではなさそうだ。