会見に臨む日本銀行の黒田東彦総裁=19日午後、東京都中央区の日本銀行(川口良介撮影)【拡大】
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は19日の金融政策決定会合後の記者会見で、安倍晋三首相が消費税率10%への引き上げを延期したことに関し、「持続的な財政構造に取り組むことを期待している。財政の信任を確保することが必要だ」と述べ、財政規律を維持するよう政府に強く求めた。
黒田総裁は10月31日に決めた追加金融緩和について、来年10月の再増税が前提と発言していた。この日は「(再増税の是非は)政府や国会で決める問題」と述べるにとどめ、政府との対立は回避したが、従来の共同歩調にゆらぎも生じている。
再増税延期の悪影響について黒田総裁は「無視できるほど小さいとは思わない」と述べた。財政規律の緩みへの懸念から、長期金利が急上昇するリスクが指摘されている。ただ、「実際に起こる確率は非常に低い」とも指摘した。
12月14日投開票の衆院選は安倍政権の経済政策、アベノミクスが争点の一つとなるが、黒田総裁は「デフレ脱却に向けて一定の効果を挙げた」と評価した。
日銀は同日の金融政策決定会合で、「緩やかな回復を続けている」とする国内景気の現状判断を14カ月連続で据え置いた。一方、輸出については、「弱めの動き」から「横ばい圏内」に判断を引き上げた。
前回の決定会合で追加金融緩和に反対した4人の政策委員のうち、3人が今回の大規模緩和の継続に賛成した。木内登英委員のみが「追加緩和以前の資産買い入れ方針が適当」と反対した。