黒田・日銀総裁、追加緩和の意図 「デフレ克服へ薬は最後まで飲みきる」 (1/3ページ)

2014.11.6 06:08

講演する日銀の黒田東彦総裁=5日午前、東京都内のホテル

講演する日銀の黒田東彦総裁=5日午前、東京都内のホテル【拡大】

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は5日、東京都内で講演し、「物価安定の目標を早期に実現するため、できることは何でもやる」と繰り返し、デフレの克服に向けた強い決意を改めて表明した。10月末の追加金融緩和の決定後、世界中のマーケットから注目を集める黒田総裁の発言。講演では、日本経済や物価の情勢について、従来通りの見解を示したが、意表を突いた「サプライズ追加緩和」の意図を読み解くキーワードもいくつか飛び出した。

 「消費税率引き上げ後の消費の落ち込みを受けて再び低価格戦略を志向する動きが広がらないか、注意する必要がある」

 この発言は、需要喚起のために企業が低価格戦略を打ち出し始めれば、デフレに回帰する可能性があるとの懸念を示したものだ。黒田総裁は講演で、今後の企業の価格設定行動について「付加価値を高めつつ、販売価格を引き上げる戦略に切り替える動きが続く」との見通しを示した。

「われわれは『物価が上がりさえすればよい』と思っているわけではない」

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