衆院は21日午後の本会議で解散され、12月14日投開票の選挙戦に事実上突入した。安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」継続の是非が大きな争点となる。中でも、人口減少に歯止めをかけ、地方の成長活力を取り戻す「地方創生」に向けた各党の具体策が注目される。ただ製造業の工場閉鎖で数百人規模の雇用が一気になくなり、衰退に追い込まれる地域も少なくなく、国を挙げて取り組む地方創生に影を落としている。
受難の国内半導体
甲府市の中心部から車で20分ほど行った釜無川沿いに工場が集まる地域がある。その一角にある半導体大手ルネサスエレクトロニクスの甲府事業所(山梨県甲斐市)が10月末にひっそりと閉鎖した。
経営再建中のルネサスは昨年8月、甲府事業所の閉鎖を決めた。同事業所は県内最大の工場で、山梨県が誘致した第1号でもあった。従業員約600人のほか関連会社社員や派遣社員を含めると約1000人が働いていた。