山梨県は、多くの雇用が失われ、地元経済に与える影響も大きいと判断。横内正明知事がルネサスの鶴丸哲哉社長を再三訪問し、工場を残すよう陳情してきたが聞き入れられず閉鎖に追い込まれた。
今年春には、ベンチャー企業のグラス・ワン・テクノロジー(東京都千代田区)への売却話もあったが、条件面で折り合わなかった。最終的には約600人の従業員のうち約200人が配置転換となり、約400人が退職することになった。
山梨県は退職者の雇用の受け皿を探すが、なかなか受け入れ先が見つからないのが実情だ。工場閉鎖で近隣の飲食店では売り上げの落ち込みが懸念され、甲斐市では「法人税や住民税が大幅に減る見込みだ」(市関係者)とうなだれる。
ルネサスは円高に加え、海外企業との競争激化で財務基盤が悪化、産業革新機構からの出資を受け経営再建を進めている。生産・開発拠点の整理統合で2010年に4万6600人いた従業員は現在、2万4200人とほぼ半減。今後も拠点を削減する方針だ。