平成27年度の税制改正大綱は、専業主婦やパートの妻がいる世帯の所得税や個人住民税を軽くする「配偶者控除」について、「(配偶者控除を含む)各種控除や税率構造の一体的な見直しを丁寧に検討する」と明記するにとどめ、見直しの具体案は先送りした。少子高齢化が進む中、持続的な経済成長には「女性の活躍」が不可欠だが、制度設計によっては家計の負担増を招くケースもあり、与党内に慎重論も根強い。(佐久間修志、小林健一)
大綱では「若い世代が結婚し子どもを生み育てやすい環境を整備すること」を政策の重要課題として挙げた。配偶者控除の見直しは28年度改正以降の課題になる見通しだ。
現行の配偶者控除は、年収103万円以下の妻を持つ世帯に適用される。課税所得の計算前に、夫の年収から38万円を控除する仕組み。妻が専業主婦の世帯などは夫の所得税や住民税が抑えられる。一方で、主婦が控除を受けられる範囲に就労時間を抑えるケースもあり、女性の働く意欲をそいでいるとも指摘された。
厚生労働省の推計では、少子高齢化で労働力人口は42年までに約300万人減少する見込みだ。持続的な経済成長を実現するには、女性の社会進出が不可欠だ。しかし25年度時点で女性管理職(課長以上)の割合は6・6%と伸び悩む。配偶者控除は、女性の社会進出の阻害要因の一つとしてやり玉に挙がり、政府税制調査会は11月、5通りの改正案を示していた。
改正案で有力視されるのは、妻の年収を問わずに夫の年収から一定額を差し引く「夫婦控除」だ。フルタイムで働く妻のいる世帯にも、税制上の不利益がないため公平性が高く、女性の就労機会の拡大に寄与すると期待される。