例年、予算づくりは、秋から年末にかけて官邸と与党、財務省が激しい網引きを繰り広げる。だが、今回は昨年12月の衆院選で与党が大勝した直後から本格化し、日程が窮屈になった影響で、作業は終始官邸のペースで進んだ。
財務省は、PB赤字の半減目標を達成するという官邸の指示に応えるなど、“黒子役”に徹した。国民に消費税再増税を約束した安倍首相の政権基盤が揺らげば、消費税率の引き上げがほごにされる可能性があるからだ。
「96兆3000億円台でまとめてください」。予算編成作業が大詰めを迎えた今月10日、首相官邸は財務省に予算規模を指示した。昨年12月の衆院選後から調整が続いていた総額が固まった瞬間だった。
官邸には、15年度予算案で財政健全化への姿勢を示し、消費税再増税の延期で揺らぎかけた日本の財政への信認を万全にする狙いがあった。財務省主計局幹部は「(目標の)達成はぎりぎりだった」と胸をなで下ろした。
一方、歳出削減の最大の焦点だった介護報酬改定で、財務省は大幅な譲歩を強いられた。