次期大統領選にらみ
TPP交渉をめぐっては、これまで交渉の“旗振り役”であるはずの米国が自国の主張に固執する強硬姿勢が障害となってきたが、ここにきて米国は合意に向け「前向きな姿勢を強めている」(交渉筋)。
今夏以降、次期大統領選に向けた動きが本格化し、オバマ政権のレームダック(死に体)化も懸念されることから、今春には合意に達する必要がある。
実際、オバマ大統領は今月20日の一般教書演説で、TPPの円滑な成立に欠かせない通商交渉の権限一任を与野党に要請。米上院で通商政策を扱う財政委員会のハッチ委員長(共和党)も22日、権限を政府に与える大統領貿易促進権限(TPA)法案を月内に提出する意向を示した。2月末までに委員会での審議を終え、3月に本会議での法案可決を目指す方向だ。
楽観論と懸念材料と
TPA法案が成立すれば、オバマ政権は交渉の自由度が高まり、難航分野で妥協点を模索しやすくなるとみられることから、日本政府内では「早ければ、3月に12カ国の閣僚会合を開いて交渉全体の大筋合意にこぎ着ける」との期待も高まる。その前提として、日米協議については「2月にも日米の閣僚協議で大筋合意に達する」との楽観論も聞かれる。
ただ、米議会が3月中にTPA法案を成立させるのは簡単ではない。雇用流出を懸念する与党民主党で反対派が多数を占めるほか、3月は連邦政府の債務上限引き上げをはじめ議会が抱える課題も多いためだ。日米協議も日本の思惑通りに米国が動く保証はなく、交渉はなお、漂流懸念と紙一重の状況だ。