日銀がサプライズの追加金融緩和を決めてから、31日で3カ月が経過する。「黒田バズーカ2」の不意打ちを食らった金融市場は大きく反応したが、日銀は今月に入って物価上昇率見通しを引き下げ、目標とする「27年度を中心とする期間に2%」の雲行きは怪しくなってきた。想定以上の原油安が続く中、市場からはもう一段の追加緩和を催促する声が後を絶たない。(米沢文)
「足元の物価上昇率は0%台後半で道半ば。2%を早期に実現するよう最大限の努力をしている」
29日の衆院予算委。日銀の黒田東彦総裁は原油安による物価の伸び悩みを認めながらも、2%の目標達成に向けた決意を強調した。安倍晋三首相も「金融緩和は確実な成果があがっている」と援護射撃した。
日銀が追加緩和に踏み切ってから、市場の景色は一変した。円相場は追加緩和発表前の1ドル=109円台前半から、12月8日には121円台後半まで下落し、約7年4カ月ぶりの円安水準となった。日経平均株価は同じ日に1万7935円64銭まで駆け上がった。
円安と株高は、輸出企業を中心に収益改善をもたらし、今春闘でも賃上げに向けた環境は整いつつある。また、訪日外国人は昨年1300万人を突破し、過去最高を更新。小売や観光も恩恵を受け始めた。