共産党が牛耳る独占的な「国家経済」に食らいついて、中国市場の成長性を自社の成長にどう取り込むのか。あるいはCITICを手始めとした国有企業改革に、伊藤忠とCPが新たな血を注ぎ込むことで中国の経済構造そのものを将来的に大きく変革させることも夢ではない。
変化の中に商機
いわば悲観論の李氏と長江実業など香港財閥にせよ、越後氏らの意志を引き継ぐ楽観論の伊藤忠にせよ、十分に認識しているであろうことは、巨大な市場を抱える中国経済の行方はゼロサムではないということだ。成長が減速しても、不動産市況が悪化しても、その半面で経済構造改革が進むにしても、変化の中にこそビジネスチャンスがあると考えているに違いない。