年収が把握可能な5211万世帯のうち、相対的貧困世帯は1133万世帯。実に21.7%、5世帯に1世帯が相対的貧困世帯となる。単身世帯は貧困率が高く、また年齢が上がるほど貧困率が上昇。その結果、高齢単身世帯の6割以上が相対的貧困層だ。
◆ワーキングプア
さらに憂慮すべきは子供の相対的貧困率が16.3%となり、初めて全体の相対的貧困率16.1%を上回ったことである。
これは、母子世帯の半分以上が相対的貧困層であることと関係がある。母子世帯の貧困率は子供の年齢が低いほど高く、乳幼児を抱える母親がフルタイムで就業できない実情を示している。
矛盾も構造化している。親が働いている世帯の方が、働いていない世帯よりも貧困率が高いという不思議な状況だ。母子家庭の母親が働いても公的扶助の水準に届かないという現実。公的扶助が高すぎるのではなく、勤労所得が低すぎることが原因である。
その背景には、雇用における非正規率の上昇が影響している。父子家庭もそれに準じており、ひとり親世帯の貧困率はOECD諸国の中で最悪である。つまり、職が得られない「失業」ではなく、働いても豊かになれないのが「ワーキングプア」の問題だ。
また、日本の傾向として、政策による貧困削減効果が小さいことも指摘されている。公的扶助(生活保護など)の受給率は1.6%。他国に比べて低い。
子供がいる世帯の貧困率を「再分配前(税金・社会保険料負担前)」と「再分配後(同負担後および児童手当等給付後)」を比較すると驚く。本来は「再分配後」が「再分配前」を下回るべきだが、主要国の中で日本とギリシャは「再分配後」の貧困率の方が高い。
子育て世帯の実情を反映した、もっと有効な公的扶助を行わなくてはならない。同時に、企業や雇用者も「ワーキングプア」を是正する努力が必要である。