ガス自由化は経産省に軍配 業界抵抗も「電力と一体」になすすべなし (1/4ページ)

2015.2.21 07:00

中部電力川越火力発電所内にある伊勢湾横断ガスパイプライン=三重県川越町

中部電力川越火力発電所内にある伊勢湾横断ガスパイプライン=三重県川越町【拡大】

 「岩盤規制を打破する」と話す安倍晋三政権が、市場自由化の狙いを定めた分野の一つがエネルギー業界だ。政府が今通常国会に提出する予定のガス事業法改正案では、2017年をめどに都市ガスの小売り全面自由化を実施することや、大手都市ガス3社に対し導管事業の分社化を義務付ける時期を22年4月1日とすることなどが盛り込まれた。ガス業界は、自由化が議論された経済産業省の小委員会を舞台に徹底抗戦を繰り広げたが、最後は「電力と一体」改革を目指す経産省に押し切られた。

 「導管分離」案が潮目

 ガス改革を有識者が議論する経産省資源エネルギー庁のガスシステム改革小委員会は、13年11月から始まり、翌年春には料金規制の撤廃方針を決めた。

 家庭向けガスの料金は、電力と同じように、ガス会社の経費に利益を上乗せした料金を経産省が認可する。この料金規制を廃止して新規参入を促せば、販売価格の引き下げやサービス向上につながるというが経産省の狙いだった。これに対し、ガス業界は「ガス事業は電力とは違い、200超の事業者がある。無理に自由化を進めれば、規模の劣る事業者は耐えられない」と抵抗を試みた。

委員の多くが「現状維持というわけにはいかない」と…

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