中部電力川越火力発電所内にある伊勢湾横断ガスパイプライン=三重県川越町【拡大】
だが、ガス業界の抵抗は熾烈(しれつ)だった。「法的分離をすれば、地震などの緊急時にガス導管の保安作業がままならなくなる」「ガス導管の維持管理コストが上がり、ガス料金の上昇につながる」「公平な競争を確保するための、ガス業界の自主的な取り組みを確認すべきだ」など、理論武装して攻勢をかけた。
その年の秋を迎えると、委員の間では、導管分離に進むことへの慎重論が広がりはじめた。
永田町が衆議院解散・総選挙に目を奪われていた昨年12月初旬の小委員会。「ガス事業は現状のままでいいわけではないが、導管部門の法的分離の決定は慎重に臨むべきだ」「法的分離を視野に入れつつも、なお1年検討を深めてから決めてもいいのでは」…。委員の口からは、相次いで法的分離の「先送り論」が飛び出した。これを受け、ガス業界代表として参加した東京ガス幹部は「(法的分離を除く)改善に努めて参りたい。決意表明としてお誓いする」などと応じた。小委員会では昨年12月末までに結論を取りまとめる方針だっただけに、法的分離の導入議論は時間切れに終わるかにみえた。