【シンガポール=吉村英輝】シンガポール首相府は23日、同国の初代首相を務め、繁栄の基礎を築いた「建国の父」と呼ばれたリー・クアンユー氏が、同日未明(日本時間同)、死去したと発表した。91歳だった。リー氏は、重度の肺炎のため2月5日からシンガポール総合病院に入院し、集中治療室で医師団の治療を受けていた。
国葬は29日に行われ、各国の首脳経験者らが参列する見通しだ。
シンガポールでは、リー氏が1954年に結成した人民行動党(PAP)による一党支配体制が続いているが、政権は長男のリー・シェンロン首相ら「第3世代」による集団指導体制に移行していた。
リー・クアンユー氏は、シンガポールが英連邦自治州になった1959年に初代首相に選出。65年のマレーシアからの分離独立後は共和国の首相となり、90年まで通算31年にわたり政権を担った。