中国主導で年内の創設を目指す国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」もその戦略の一環といえる。中国を起点に中央アジアから欧州に内陸から伸びる「シルクロード経済ベルト」と、東南アジアからインド、中東へと海洋沿いに広がる「21世紀の海上シルクロード」で鉄道や道路、都市開発などに狙いを定めている。「一帯一路」と呼ばれる2つのシルクロード構想は、中国のインフラ建設受注とそれに伴う資機材の輸出、労働力の提供が狙いだ。
「走出去」戦略に影
この「走出去」戦略には影の部分もある。中国は鉄鋼やセメント、自動車など数多くの業種で過剰投資と過剰在庫が深刻化しており、追加投資の余地はない。これを逆手に取り、「過剰能力は周辺国のインフラ建設向け輸出にちょうど適合する」とのご都合主義で考えている。
しかも、外貨管理局がまとめた中国の14年国際収支で、資本と金融の収支は960億ドルの赤字だった。前年の13年は3262億ドルの黒字だったのが、昨年、赤字に転じた背景は、日米など対中投資実行額の伸び悩みにあると中国も認めている。