【ワシントン=小雲規生】中国が年内の設立を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加が50カ国・地域を超える勢いだ。AIIBは日米が主導してきた世界銀行やアジア開発銀行(ADB)など既存の国際金融機関への挑戦とみられる一方、中国は世銀などとの協調をめざす姿勢もアピールしている。AIIBの狙いや行方について、米国内の識者に聞いた。
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「中国の主導的役割は変わらない」
孫韻(スン・ユン)氏(スティムソンセンター研究員)
--中国がAIIBを設立する狙いは何か
「中国に、アジアでのリーダーシップを強める戦略的な計算があることは確実だ。ただ戦略的な影響力拡大は2国間の支援でも可能であり、それだけがAIIBの目的ではない。AIIBはもともと、輸出や建設企業の海外進出促進のために発案された。また、国際金融のシステムを改革する狙いもある」
--中国はAIIBを支配する存在になるか
「欧州各国など先進国の参加で、中国がAIIBを支配することはより難しくなった。だが中国はアジア各国の出資比率を75%とするとしており、欧州などの先進国は25%しか出資できない。アジアから日本が参加していない現状では、中国が主導的な役割を担うことに変わりはない」