政府は21日、東京電力福島第1原発事故の汚染水漏れを理由にした韓国政府の水産物輸入禁止措置は科学的根拠のない不当な輸入規制だとして、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。貿易に悪影響を与えるだけでなく、被災地の復興の足かせになると判断した。食品に含まれる放射性物質の安全性がWTOで争われるのは初めて。
政府は、日本の水産物に含まれる放射性物質は基準値を下回っているとした上で、韓国の措置はWTOの衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)が定める「措置は科学的な原則、危険性評価に基づいてとる義務」に違反すると主張。今後、韓国との2国間協議を行い、60日以内に問題が解決されなければWTOに紛争処理小委員会(パネル)の設置を求める。
韓国は原発事故を受けて青森や岩手、宮城、福島、茨城、千葉など8県の水産物50種の輸入を禁止。2013年9月には8県の全水産物の輸入を禁止した。10年に175億円だった日本からの水産物の輸入額は14年には103億円に減少している。