世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)も参加国・地域の思惑の違いから進んでおらず、7月31日にジュネーブで開かれた貿易交渉委員会でも関税削減などの分野の合意に向けた「作業計画」について、意見がまとまらず策定できなかった。13年に採択された閣僚宣言で今年7月末までの策定を掲げていたが、目標を達成できなかった。
ある政府高官は「TPPがまとまれば、EUや中国などは日本市場での競争条件が不利になりかねないと焦り、日本とのEPAやRCEP交渉に取り組んできた。TPPが駄目なら、他の交渉に悪影響が及ぶ」と懸念する。
来年に次期大統領選を控える米国の政治日程などを踏まえると、今回の閣僚会合で合意しなければ、合意が一気に遠のくとの見方は強い。日本の通商戦略が見直しを迫られるだけでなく、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」にとっても大きな痛手となる。