共同記者会見で、厳しい表情でこぶしを握りしめるニュージーランドのグローサー貿易相=7月31日、米ハワイ州ラハイナ(共同)【拡大】
実際、グローサー氏は会見で、交渉からの脱退の可能性を問われ「交渉を離れるというアイデアも大変興味深い提案であるが、ニュージーランドはそもそもこの交渉を始めた最初の国々の一つ。感情的に離れたいという気持ちにはなれない」と存在感をアピールした。
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交渉は責任のなすりつけあいの様相も呈している。
米通商専門誌によると、オーストラリアのロブ貿易・投資相は自動車の原産地規則などで歩み寄れていない米国、日本、カナダ、メキシコが交渉の「障害」と指摘し、「残りの98%は決着がついているのに悲しいことだ」と嘆いてみせた。
「パズルのピースをはめ込むような作業」(交渉筋)とされるTPP交渉。最後の1ピースでも1カ国が反対すれば、完成には至らない。甘利氏は次の会合での決着に自信をみせたが、参加国の利害を限られた時間で解きほぐすのはたやすいことではない。(ラハイナ 本田誠)