原発維持、CO2削減に不可欠 国際公約達成、再稼働の広がり大前提 (2/3ページ)

2015.8.12 06:32

川内原発の中央制御室で1号機原子炉の起動操作をする運転員ら=11日、鹿児島県薩摩川内市(代表撮影)

川内原発の中央制御室で1号機原子炉の起動操作をする運転員ら=11日、鹿児島県薩摩川内市(代表撮影)【拡大】

 実際、石炭火力は原発停止後の電力不足を補う意味もあり、稼働が増えている。大手電力10社の2014年度の石炭消費量は、10年度比で17%増の5957万トンだった。新設計画も相次ぐ。九州電力と東京ガス、出光興産の3社が、千葉県で大型の石炭火力を建設することで合意。その他、全面自由化を控え、JFEスチールや東燃ゼネラル石油といった異業種も建設を検討している。

 政府は30年度の温室効果ガス排出量を13年度比で26%削減する目標を掲げ、国際公約となった。目標では石炭火力の発電電力量を2810億キロワット時に抑える。だが、13年度の発電量は2850億キロワット時に達しており、新設どころか石炭火力の数を減らさなければ、目標は達成できない。

 政府方針を受け、電気事業連合会や新電力など業界は、30年度の温室効果ガス排出量を13年度比で35%削減する自主目標を策定した。

 だが、環境省の有識者会合は、会社ごとの行動計画が示されず強制力もないため、自主計画を「実効性がない」と一蹴。同省は電力業界が老朽設備の廃棄など具体的な削減計画を打ち出すまで、石炭火力の新設を認めない構えだ。

不満を漏らす大手電力幹部「原発は国策にもかかわらず…」

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