中国人民元の100元紙幣(共同)【拡大】
2日連続の人民元切り下げを受け、「日米の金融政策に狂いが生じる」との見方が市場関係者の間で広がり始めた。中国景気の先行き不安から米国の利上げ延期や日銀の追加緩和を予想する声が高まっている。
「(米国が)9月の利上げを見送る可能性が高まった」
みずほ証券の上野泰也氏はこう分析する。
慌てて利上げすれば、ドル高元安をさらに助長し、輸出企業の価格競争力は失われてしまうからだ。また、中国景気の失速懸念から原油などの商品価格が急落する中で利上げを強行すれば物価は伸び悩む。
一方、日銀に対して追加金融緩和を求める声も出ている。メリルリンチ日本証券の大崎秀一氏は「原油安で物価の下落幅が大きくなればデフレ脱却に向けて追加緩和が必要になる」と指摘する。
元安を受けアジア諸国が「通貨安競争」に踏み切るとの見方もある。実際、12日は豪ドルやインドネシアルピア、韓国ウォンなどが軒並み対ドルで売られた。
ただ、「元安に伴って対中輸出力が弱まるとの見方から自然に売られた。過度の通貨安は資金の海外流出につながるなど弊害も大きい」(ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの村田雅志氏)と否定する見方も根強い。大幅な元安を防ぐため、人民銀が12日に元買いドル売り介入に踏み切ったとの憶測も出た。