南部クラビでの石炭火力発電所建設に反対し、バンコクで抗議活動をする人々。タイは電源多様化で天然ガス依存からの脱却を図っている(AP)【拡大】
タイは液化天然ガス(LNG)の輸入が急増する可能性が浮上している。同国のエネルギー省は、政府が計画している発電の電源多様化が滞ってLNG依存の脱却に失敗すれば、2036年の輸入量は政府予想の200万トンの2倍となる400万トンに達するとの認識を示した。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。
同国は天然ガスが産出することから、発電の天然ガス依存度が高い。しかし、近年は枯渇の懸念も生じており、エネルギー省は自国産の天然ガスについて、現在の依存状況が続けば埋蔵量は毎年11%ずつ減少していくと予想しており、今後は天然ガスの電源構成比を引き下げないかぎりLNGの輸入が増加するとみられている。
政府は今年、15~36年の電力開発計画(PDP)を策定。その中で現在は電源の70%を占める天然ガスへの依存を低減して36年までに30%とする目標を掲げた。これに伴って石炭を20%から25%へ、太陽光をはじめ再生可能エネルギーを8%から20%に高めるなどして、電源の多様化を推進する計画だ。
さらに、隣国ラオスなどからの電力調達も強化する。現在は消費電力全体の1割にあたる電力輸入を36年までに2割に増やして天然ガス依存からの脱却を図り、電力の安定供給や価格安定を目指す。