南部クラビでの石炭火力発電所建設に反対し、バンコクで抗議活動をする人々。タイは電源多様化で天然ガス依存からの脱却を図っている(AP)【拡大】
しかし、タイの電源多様化には課題もある。同国では石油開発がライセンス制度の変更をめぐる非政府団体(NGO)の抗議活動の激化で08年から行われていないほか、再生可能エネ分野もこれから本格的な導入を目指す段階で、接続する送電網の不足なども指摘されている。
また、南部のクラビとソンクラーでは輸入石炭を燃料に合計出力300万キロワットの火力発電所建設計画もあるが、環境への懸念から建設に反対する意見が根強い。クラビでは、計画の実施をめぐって地元住民らの抗議活動も8月に発生し、政府が入札を強行するなどした。
エネルギー省がLNG輸入急増の可能性を指摘した背景には、電源多様化に向けた政府の決意を改めて強調する意味合いがあると思われる。多様化実現で天然ガス依存から脱却できるか、今後、タイ政府の電力政策と指導力の真価が問われていきそうだ。(シンガポール支局)