バブル期だった当時と今とでは株式市場を取り巻く環境は大きく異なるが、郵政3社の上場は「NTT上場のときのように個人投資家の呼び水になる」と証券大手幹部は期待する。
株式の購入に必要な最低投資金額は、郵政3社を合計しても約50万円。年100万円を上限に株式や投資信託に投資して売却益や配当を受け取っても税金がかからない少額投資非課税制度(NISA)の枠に収まり、個人投資家には買いやすい。
一方、郵政3社の上場は約1兆4000億円の資金を市場から吸収する。このため短期的には需給が悪化するとの懸念もある。
投資家は郵政3社の株式を買うために保有する主力株の一部を売却して資金をつくるとみられ、換金目的の売りが日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)を下押ししかねない。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「年内は相場の重荷となる可能性がある」との見方を示す。
中長期的には、個人投資家を中心に新たなマネーが株式市場に流れ込んでくるため、「需給は改善に向かう」(アナリスト)とみられる。ただ、最近の株式市場では中国経済への懸念などを背景に激しい値動きが続いており、こうした地合いが払拭されないまま郵政3社が上場すれば相場の波乱要因になりかねない。(森田晶宏)