大学で講演するイエレンFRB議長=24日、米マサチューセッツ州(ロイター=共同)【拡大】
【ワシントン=小雲規生】米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は24日、米マサチューセッツ州で講演し、「私や同僚のほとんどは年内のどこかのタイミングでの利上げが適切だと考えている」と述べた。FRBは17日に終わった連邦公開市場委員会(FOMC)で、現在のゼロ金利状態からの利上げを見送ったばかりだが、10月か12月のFOMCで利上げに踏み切ることに改めて意欲を示したかたちだ。
イエレン氏は米国経済の現状を「総じて堅調」と評価。雇用情勢については、就業者数が着実に増加していることを踏まえて「雇用の最大化から遠くない」とした。また原油安などの影響で低迷してきた物価上昇率についても「今後2、3年かけて徐々に2%に近づいていく」と分析し、利上げに向けた環境が整いつつあるとした。
一方、イエレン氏は中国をはじめとする海外経済の減速が米国の経済活動を抑えこむ可能性も指摘。ただし海外経済の情勢変化は「金融政策の方向性に大きな影響を与えるほどではない」とも強調し、利上げの制約にはなっていないとの見方を示した。