多国籍企業の税逃れ防止に新ルール 各国協調で抜け穴ふさぐ (2/3ページ)

2015.9.29 06:40

 ネット通販業者への対策も行う。進出国に倉庫しかなく、支店などの恒久的施設を持たなければ、本社のある国からしか課税されなかったが、倉庫が事業の重要な機能を担うと認められれば、進出国でも課税できるようにする。また、節税策の透明性を高めるため、進出先の国ごとの取引や節税策について当局に報告義務も課す。

 課税を強化する一方で、企業の負担軽減措置も講じる。本国と進出先の国の双方から課税される二重課税問題が起きた際、税務当局間の協議を早期に解決する態勢を整備する。

 OECDとG20はシンガポールなど加盟国以外にも導入を促す。できるだけ多くの国が採り入れなければ効果が見込めないルールもあるからだ。だが、税率を低くして企業を誘致している国もあり、どの程度広がるかは不透明だ。加盟国にとっても、勧告ではあるが罰則はないため、新ルールの実効性をどう高めていくかが今後の課題になる。

 OECDとG20は米スターバックスなど多国籍企業の過度な節税策への批判の高まりを受け、2013年から国際課税回避の防止策の検討作業を進めていた。

多国籍企業の税逃れ防止の新ルール

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