自らも起業家経験が豊富なサンブリッジグローバルベンチャーズの平石郁生社長【拡大】
■サンブリッジ グローバルベンチャーズ・平石郁生社長に聞く
平石郁生氏は、日本スタートアップ界を担うベンチャーキャピタリスト(VC)の一人。米国や欧州で投資委員会をほぼ独占しているのは平石氏のような起業家出身のVCだが、日本ではまだめずらしい。VCと言えば金融機関系の組織か、ビジネススクールや有名コンサルティング企業の出身者が圧倒的に多い現状で、起業家が投資する側にまわることにはどんな意味があるのか。平石氏に聞いた。
◆ネットへの理解向上
--日本と海外のVCで、最も大きな違いは
「一般的に、日本ではVCが成熟してません。もちろん、長い経験を持つVC企業もあります。例えば、1970年代に設立された野村証券グループのジャフコがそうです。銀行や証券会社系列のVCは、成長過程でいえばより進んだ段階の、株式公開を控えた企業をターゲットとします。歴史あるVCは、スタートアップの考え方をよく理解していません。そんなわけで最初の会社を立ち上げたときは、VCから資金を得るなんて考えもしませんでした。会社のコントロールを奪われたくなかったし、起業家精神についての知識や理解にあまりに大きな隔たりがあったからというのも、理由の一つです」
--エンゼル投資家の資金は考えませんでしたか
「僕が最初に起業したころは、それほどエンゼル投資家は存在しませんでした。多くは医者や弁護士、裕福な家庭の出身者で、インターネットへの理解に乏しかった。今では、自ら起業して成功した経験を持つエンゼル投資家がいます。資金ももちろんですが、ネットワークと経験も備えた人は、この業界をよく知っています。状況はずっと改善されています」