自らも起業家経験が豊富なサンブリッジグローバルベンチャーズの平石郁生社長【拡大】
--VCになってから、起業家であった時代を懐かしむことはありますか
「僕は今でも起業家です。これまでとは違う事業をしているというだけのこと。ファンドを経営しているわけですから、多くの投資家から資金を調達しなければなりません。適切な人を雇ってチームを構成し、チームの意欲を持続させ、営業をする必要があります。小さなファンドなので、コンサルティング契約や管理手数料などの売り上げに頼っています。そういう意味で、僕はまだスタートアップ経営者です」
--同じような手法で運営されているファンドは、他にも日本にありますか
「East Ventures(イーストベンチャーズ)には似た哲学があると思います。ネットエイジ出身者と、ミクシィの元CTOが設立したファンドです。彼らには本当の意味でのオペレーション経験があって、事業を成長させ、新しい物を作り、革新を生み出すために直接起業家と仕事をすることを求めているようです」
--建設的な動きですね
「ええ。スタートアップの資金調達はこれまでよりも随分やりやすくなっています。今の課題は、経営者として適任の人材をいかに集めるかということです。マクドナルドやアップルのような企業で上級経営幹部の立場にある人に、スタートアップに移って経営をしてほしいと要請してもそう簡単には納得してくれません。一方のスタートアップ側でも、創業者に対して、時には身を引いて、会社経営の経験が豊富な人に経営を譲ることも必要だと説くのは容易ではありません。これが、今僕たちが直面している次の課題です。しかし、成功体験を持つ起業家がエンゼル投資家になる例が増えていけば、創業者の中から、もっと経営に適した人に会社を譲って、自分は次世代の起業家を支援しようと考える人が増えていくと思います」