9月22日、米サンフランシスコ市議会で決議採択をほかの支持者らとともに喜ぶ李容洙氏(中央)=共同【拡大】
1カ月ほど前に訪米から戻ってきたばかりの李は覇気のある声で答えた。高齢の身には、移動に長時間を要する米国への渡航はこたえるはずだが「女性運動家として活躍したいと思っているので、疲れたなんて言っていられない」と語った。
李は一体、何を望んでいるのか。記者が「慰安婦問題を解決するために日本政府に具体的に何をしてほしいのか」と尋ねると、こう答えが返ってきた。
「安倍(晋三首相)が日本大使館前まで来て、私たちに直接会って許しを請うてほしい。そして安倍に続く代々の日本の首相も同じようにしてほしい。そしたら許すことができるかもしれない。でも(慰安婦だった過去を)決して忘れることはできない」
李は、韓国政府に対しても、もどかしい思いを抱いている。
「謝罪はいつでも日本から受けられるが、韓国政府が日本に先立って、私たちにまず賠償をしてくれることを望む。死んでしまったら何の役に立つというのか」
李は慰安婦問題では欠かせない“生き証人”として、大事な節目には必ず登場している。その李と手を携えてきたのが韓国の反日団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」だ。ところが、李はこのほど韓国誌で挺対協批判を展開した。なぜ韓国内でも大きな力を持つ挺対協に李は反旗を翻したのか。