福島のコメ、現状と課題 地道な努力、地域ぐるみで乗り越え (4/4ページ)

2015.11.13 07:36

コメを通して消費者に安全を訴える動きも活発だ(福島県本宮市)

コメを通して消費者に安全を訴える動きも活発だ(福島県本宮市)【拡大】

  • イベント終了後に無料配布した「天のつぶ」を受け取る参加者=東京都江東区のイトーヨーカドー木場店
  • 御稲プライマル・後藤正人専務

 消費者が抱いている不安を取り除くには、消費者と直に触れ合っていくことも重要だ。首都圏のスーパーへ職員を派遣しての県産米のPRイベントや女子大生向けセミナーなどを企画し、安心を伝える取り組みを強化している。訴求すべき人を絞り、そこでの参加者たちによる口コミ効果を期待し、風評被害を吹き飛ばしていきたい。(談)

 ■消費者に“安全”を訴える 県職員が首都圏のスーパーで説明会

 福島県は、2011年8月から「ふくしま新発売。」と銘打った復興プロジェクトの一環として、県産農産物の安全性を首都圏の消費者に直接伝えるPRイベントを繰り広げている。

 先月10日には東京都江東区のスーパーで、県の職員が「ふくしま米」のおいしさと安全確保の取り組みについて買い物客に説明。モニターに映し出されるコメの全袋検査の様子や放射線量の推移などを紹介すると、「ここまでやっているとは知らなかった。子供たちにも安心して食べさせられる」(30代主婦)といった声が聞かれた。

 この日は、福島県が15年の歳月をかけて開発したオリジナル品種「天のつぶ」を消費者に無料配布したり、試食も行って参加者においしさをアピール。県農林水産部農産物流通課の金子達也課長は「福島の姿や私たちの対策を多くの方に理解していただけたと思う。これからもしっかりと伝えていく」と手応えを感じていた様子。この日のイベントには約200人が参加。「天のつぶ」即売コーナーでの売れ行きも上々だった。

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