「注入した直後に官邸にいる武黒(一郎・東電フェロー)から電話がありまして、(首相)官邸では海水注入は了解していないと。だから海水注入を停止しろという指示でした」
菅氏が官邸での会議で、海水を入れることによる再臨界への懸念を示したことは、当欄だけでなく、当時の海江田万里経済産業相や細野豪志首相補佐官、貞森恵祐首相秘書官、武黒氏らがそれぞれ政府事故調や国会事故調に証言している。
だからこそ、東京地裁は3日の判決でこう事実認定したのである。
「首相である原告(菅氏)に東電において開始した海水注入を中断させかねない振る舞いがあった」
つまり、海水注入の継続は吉田氏の英断による「結果オーライ」にすぎない。菅氏が持ち前の猜疑(さいぎ)心と「イラ菅」ぶりによって、重大な危機を招きかねなかったことは疑いようのない事実だといえる。