会見する日銀の黒田東彦総裁=29日、東京都中央区(荻窪佳撮影)【拡大】
行員が机から離れなくても銀行は日銀から巨額の利払いを受ける。おまけにこの金利は市場金利の目安になるので、一般的な貸出金利を下げ止まらせる。日銀がカネを大量に刷って、金融機関に流し込んだところで、カネは動かない。
日銀は昨年末、前年比で30%増、79兆円を新規発行したが、金融機関の日銀当座預金は同73兆円増と大半が日銀内にとどまっている。その間の銀行貸出増加額は10兆円にすぎない。カネが増えても回らないので、ヒト、モノ、サービスへの需要が増えず、デフレ圧力は減らない。
マイナス金利政策は日銀と金融機関との間に適用されるわけで、家計や企業と金融機関のカネのやりとりは必ずしもマイナスにはならない。
先行している欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏の市場金利をマイナスに誘導している。金融機関が市場から調達する資金の金利がマイナスになっても、貸出金利はプラスのままだが下がり続けている。