円高で企業収益が落ち込めば、賃上げの動きが鈍るとともに、株安により消費意欲も悪化しかねない。マイナス金利導入には円高などを止める狙いがあったようだが、現状は日銀が思うような効果は出ていない。
今のような状況が続くようなら国際的に金融政策で協調する動きも必要になってくる。日銀だけでは打開できないだろう。海外の動向に合わせて追加緩和などを実施すれば、流れが変わるかもしれない。金融政策が正常化すれば金利は上がるので、今がお金を借りる好機だ。世界経済悪化で企業の投資意欲は萎縮しているが、先行きが見通せるようになれば投資も増える。
日銀、メッセージ正確に発信を
慶応大・土居丈朗教授の話 日銀のマイナス金利政策は市場金利を引き下げるのが目的であり、10年物国債の利回りの初のマイナスは政策効果があったという評価ができる。長期金利に連動して企業向け融資や住宅ローン金利が下がり、設備投資や個人消費を活性化するという好ましい影響が期待される。日銀には、政策メッセージをどれだけ正確に民間に伝えるかがこれからの課題になる。金利低下を通じて貸し出し増加を期待するが、銀行が企業への貸し出しを信託を通じてキャッシュバックさせるといった抜け道がないわけではない。そうした手法が横行すれば、デフレ脱却につながらずさらに激しい緩和が必要になって出口戦略が難しくなる。