スイスのダボス会議で、国際通貨基金のラガルド専務理事(左から2人目)らとともに中国経済の先行きをテーマにしたパネルセッションに参加する、ゴールドマンサックスのゲイリー・D・コーン社長(右端)=1月27日(ロイター)【拡大】
それが今や、汚職に毒されたブラジルに、欧米との対立で経済制裁を受け孤立を深めるロシア、公共投資依存と不透明な市場介入から抜け出せない中国、などそれぞれ世界経済のリスク要因となっている。GSは昨年、自社のBRICSファンドを閉鎖した。
しかし、GSを責めるのは酷というものだろう。
「なぜ誰も予想できなかったの?」。リーマン・ショック直後、エリザベス女王が、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の学長を戸惑わせたことは有名だ。
経済学で最高の頭脳が集まる世界有数の機関でさえ、サブプライム危機の発生、リーマン・ショックの衝撃を予見できなかった。
不合理と強欲
経済全体の大きな変動だけでなく、原油価格の動向といった経済活動の一側面でも予想するのが難しいのは、主体である人間それぞれが合理的な判断をするとは限らないからだ。そうした例を解説したダン・アリエリー氏の「予想通りに不合理」(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)にうなずく人は多いだろう。