会見する、金属労協の相原康伸議長(中央)ら=16日、東京都中央区(寺河内美奈撮影)【拡大】
メガバンクの動きは経済界にとっても想定外だった。ある経団連副会長は「春闘交渉に入った中で時期が悪すぎる」と批判した。「これは謀反だ」という声も上がったほどだ。
一方の連合は、中小企業の賃上げを優先させる「底上げ春闘」を掲げ、「官製春闘」に一線を画す形で取り組んできた。
トヨタ自動車が16日の回答で、系列の部品メーカー数社と同額のベアを実施するとした。本社と子会社で格差が当たり前だったトヨタの“前代未聞”の回答に、連合の神津里季生会長は16日、「底上げの象徴だ」と評価した。
しかし、中小企業の労組組織率が数%以下の中、連合の働きかけに限界があるのは明白で、他の企業にも浸透するとはいえない。ここ数年、連合の影響力低下が指摘されてきた。これを防ぐことができるかは、今後6月まで続く中小企業での交渉で、賃上げを獲得できるかにかかっている。
菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は16日の記者会見で「賃上げがしっかり実現すると期待する」と述べ、集中回答の内容についての評価を避けた。