28年度予算、景気最優先で前倒し執行へ 緩む財政規律、財政健全化に課題

2016.3.29 21:57

 政府は29日に成立した平成28年度予算を前倒し執行していく。さらに、個人消費を中心に国内景気が弱含んでいると判断して、緊急経済対策を盛り込んだ28年度補正予算案を早期に編成する考えだ。一方、財政再建は後回しとなり、32年度を目標とする基礎的財政収支(PB)の黒字化は見通しにくくなっている。

 28年度予算は、安倍晋三政権が掲げる「1億総活躍社会」の実現に向けた介護施設拡充などの施策や公共インフラの老朽化対策といったメニューがずらりと並んだ。そのため、政策に必要な経費は73兆1097億円と過去最高を更新した。

 安倍首相は29日の記者会見で「最大の景気対策である28年度予算の実を上げるには早期に執行することが重要だ」と表明した。公共事業を中心に秋までに執行を集中させる考えだ。

 ただ、それ以降は執行案件が減るため、政府は総額5兆円超の28年度補正予算案を編成し、切れ目なく景気刺激につなげる。

 首相は記者会見で、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では世界経済情勢が最大のテーマになるとの見通しを示した上で、「G7(先進7カ国)の政策協調が求められている」と述べ、議長国として世界経済の危機回避に貢献する意向を表明。麻生太郎財務相は同日の記者会見で「景気下ぶれリスクに対応していく」と述べ、編成の可能性をにおわせた。

 一方、首相が経済成長と「車の両輪」と位置付ける財政健全化は、矢継ぎ早の経済対策による歳出の膨張で、取り組みは置いてけぼりとなっている。

 国と地方の借金は1千兆円超と、国内総生産(GDP)の2倍の水準。政府は32年度にPB黒字化を目指すとしているが、内閣府の試算では、名目3%以上、実質2%以上の高成長でも6・5兆円の赤字が残る。(中村智隆)

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