主要産油国は今月17日、原油価格の下支えに向けカタールで会合を開く。増産凍結への期待から、2月に1バレル=30ドル台を割り込んでいたWTIは、3月中旬に一時40ドル台に回復した。
だが、経済制裁を解除されたイランは増産凍結に加わらない意向だ。これに対しサウジアラビアのムハンマド副皇太子が今月1日、イランが増産凍結に加わらない場合はサウジも参加しない考えを示した。会合で何も合意できなければ「WTIは再び30ドル台を割り込む」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之主席エコノミスト)との声が多い。
流れ乗る投機筋
原油安が進めば、米国のエネルギー関連企業の業績悪化や産油国の財政赤字拡大といった懸念が再び強まる。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「世界的な株安への不安から、(比較的安全な資産とされる)円が買われた」と語る。
海外のヘッジファンドなどの投機筋が、節目となる1ドル=110円割れを試しにいったとの指摘もある。5日の外国為替市場では、3月17日につけた直近の円の対ドルでの高値である1ドル=110円67銭を突破したあたりから、円高ドル安の流れに勢いが増した。
みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは「約1年5カ月ぶりの円高ドル安水準を攻めることで相場に新たなトレンドが生まれる。投機筋がそうした流れに乗ろうとしたのではないか」との見方を示す。
1ドル=110円の大台を割り込めば次の照準はどこになるのか。みずほ証券の鈴木氏は「1ドル=110円割れが何日か続けば、1ドル=105~106円近辺を目指す流れになる」と指摘。三井住友アセットマネジメントの市川氏も「過去の値動きを参考にすれば、1ドル=106円台半ばまで円高ドル安が進む可能性がある」と話した。(森田晶宏)