17日にカタールで開かれる主要産油国の会合で「増産凍結」が合意されるとの思惑から、原油価格が上昇している。国際指標となるニューヨーク原油先物は11日に終値として約3週間ぶりの高値となる1バレル=40ドル台を回復した。2月中旬に付けた直近の安値(約26ドル)に比べ5割超も値上がりしている。ただ、有力産油国のイランが会合への不参加を表明するなど供給過剰の解消には時間を要するとみられ、価格上昇が持続するかは見通せない。
11日のニューヨーク原油先物相場は続伸し、指標の米国産標準油種(WTI)5月渡しは前週末比0.64ドル高の1バレル=40.36ドルで取引を終えた。
原油安で財政難に陥った主要産油国は、17日にカタールの首都ドーハで開く会合で、サウジアラビアやロシアなどが取り決めた増産凍結を各国で合意したい考えだ。会合には15カ国程度が参加するとみられる。
しかし、経済制裁で失ったシェアを取り戻したいイランは、2月に比べ87万バレル多い日量400万バレルまで生産が回復しない限り、増産凍結に加わらない方針だ。
このため市場では、イランの一定の増産を認めた上で、産油国が増産凍結で合意するとの観測が強まっている。ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「合意当初は45ドル程度を目指して原油価格は上昇する」と指摘する。
ただ、45ドルまで回復すれば、採算割れで減産を余儀なくされた米国のシェールオイルの生産が拡大するとの見方は多い。増産凍結への期待先行で原油相場は上昇しているだけに、上野氏は「合意直後はいったん上昇しても、利益確定売りに押され高値を維持することは難しい」と予想する。
増産凍結で合意できなければ、原油価格は大きく下落しそうだ。そもそもサウジはイランが参加しない場合、増産凍結に加わらない考えを示しており、会合自体が延期される可能性もある。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之主席エコノミストは、増産凍結で合意できない場合、「再び30ドル台前半まで下落する」と指摘する。