SAT(Systematic Approach to Tasting)というワインやスピリッツの世界で使われる試飲用語や分析項目などからなる評価方法がWSETにはある。これらに日本酒独自の用語や項目を組み込み、これまで日本酒に馴染みのなかった人たちが既に身に着いているテイスティング表現や概念で日本酒の評価ができる、というわけだ。
「3日間で学んでいただくには挑戦的な内容だったと思いますが、参加者の皆さん非常に熱心に参加頂きました。現場のプロから鋭い質問や意見が飛び合い、素晴らしいセッションとなりました。 マッサロットさんのように日本食や日本酒文化に通じ、日頃から情熱を持って現地で啓蒙を推進している方に講座を仕切って頂けて感謝しています」と菊谷さんは語る。
科学的でありビジネスで通用するという目標があることは、文化の伝達においてもとても大切であることが、この事例から分かる。思い入れたっぷりの一方通行の文化発信の限界が、ここから逆にみえてくる。(安西洋之)
【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)
上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih
ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。